ベースキャンプ

私はよくこんな事を言う。

「君は富士山に登ろうとしてるのではなく、エベレストに登ろうとしているんだ」。

富士山の山頂を目指すだけでも、それなりの体力・持久力・集中力が必要になる。
ましてや目指す山頂が世界最高峰になれば、装備だって富士山程度のものでは役に立たない。

だから、「まず市内で一番、毎日努力してる人になろう。それから県内で一番、
次に日本で一番、そして世界で一番、毎日努力してる人にまずなろう」。
それが世界最高峰を目指す裏付けになる。


例えば、野球。
小学生で野球が好きになり毎日学校のグランドで野球をして、
中学生で野球部に入部して、甲子園常連校を目指す。
そして甲子園出場を果たし、
大学野球かドラフトでプロ野球へ。
道はほぼ見えているし、決まっている。

しかし、モータースポーツの場合は
道が見えているわけでもなく、決まっているわけでもない。
ただ見えているのは、世界最高峰のF1とMotoGPだけ。
そこへたどり着く道さえわからず。


だから目の前のサーキットは世界最高峰に繋がっている。
それを信じて絶え間なく、限界に挑戦する方法しかない。
そして、目の前に現れてくる自分の限界という扉を開けていくしかない。

道に迷い、あるいは風雨にさらされ苦しむこともあるだろう。
そんな時はベースキャンプに戻ればいい。
決して迷った時点で判断せずに、必ずベースキャンプに戻って来るんだ。

そのベースキャンプとは、「より美しく、より速く」。
ただそれを追求することだ。




写真はコースイン直前。
最後にグローブを装着する修大。